鉄筋・鋼板腐食状態検出器 iCAMMTM (アイキャム) 事例集
コンクリート内部の鉄筋腐食も完全非破壊で検査可能!
鉄筋コンクリート検査 鋼構造物腐食マッピング
私たちACTARISEは、世界最高・最新の技術を用いて、
日本のインフラストラクチャーの健康状態を、
高精度に、詳細に、そして誰でもわかるように評価します。
鉄筋コンクリート腐食調査 事例
橋梁スラブ鉄筋腐食調査
iCAMM検査技術を使用して鉄筋コンクリート橋スラブ検査を行いました。
この橋梁は1982年に建設され、支間長約6.7m、幅員約13.4mです。
スラブ下側(天井面側)のコンクリート状態は、事前調査で目視検査、自然電位法での調査、およびコアリング調査(塩化物含有量・圧縮強度の測定を伴う合計 6本のコアリング)によって評価されていました。コンクリート表面には変色、剥離、ひび割れなど、目に見える兆候があり、鉄筋腐食(鉄筋露出)も確認でき、大きなダメージを受けていました。
最先端パッシブ磁気法のiCAMMを使用して、スラブの鉄筋腐食の状態を評価しました。iCAMMは鉄筋に直接接触する必要があるコアリングや自然電位調査などの破壊検査手法とは異なり、鉄筋の状態(腐食による断面損失の程度)を非破壊で測定することが出来ます。
iCAMMは鉄筋径に応じてかぶり厚0~10cm程度(鉄筋径の6倍程度まで)の鉄筋腐食状態を非破壊かつ高精度で測定できます。iCAMMでの検査結果は破壊検査と非常によく一致しており、iCAMMは特定のエリアで発生する腐食の可能性や定性的な情報を提供するだけでなく、橋梁床版全体の断面損失の定量的な評価をすることができます。
鉄筋コンクリート柱の腐食マッピング
このプロジェクトでは、高速道路橋脚:鉄筋コンクリート支柱の主筋腐食の評価とマッピングに、iCAMMを使用しました。(かぶり厚=約50㎜)
検査対象の鉄筋コンクリート柱は、コンクリート表面の変色、ひび割れ、剥落などの目に見える劣化がりました。iCAMMは、このような状況でも埋設鉄筋の状態を容易に評価することが可能であり、検査にはコンクリートの非均質特性やその他の環境要因の影響を受けません。
主筋を約1mの高さから、iCAMMを使ってスキャンしました。
iCAMMでの検査結果は、鉄筋の断面損失を定量化するために使用されました。結果は腐食マップとして表示され、位置だけでなく、各柱のすべての重要な領域の腐食の程度も特定しました。iCAMMの結果は、亀裂、崩壊、変色、剥離など、コンクリート表面の目視検査の結果とほぼ一致しました。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・斫り不要で鉄筋へ直接接触させる必要が無い
・定量的結果を効果的に取得できた
・補修必要範囲を的確に判断する材料を得ることができた
ダム主要橋脚の鉄筋の状態評価
このダムは1960年に建設され、両側が土堤ダムに縁取られた長さ約23m、高さ6m、5つのストップ・ログ・ベイのコンクリート放水路構造で構成されています。構造物の上の歩道は、放水路スラブの上に建設された端壁と4本のRC橋脚によって支えられています。
このプロジェクトの主目的は、腐食性で湿潤な環境のため電気化学的腐食が発生しやすい埋設鉄筋の状態を評価することです。
鉄筋腐食にはiCAMMを使用して評価しました。この方法は、自然電位法に代わる優れた方法です。自然電位法は、鉄筋との直接接触を必要とするため、コンクリートを一部斫り、鉄筋を露出させる必要があり、構造物に大きなダメージを与えるため、この構造物では使用できませんでした。
腐食状態を概観するために、検査は各壁の下部に焦点を当てました。橋脚下部は湿気や水の流れによる環境の影響が大きいため、劣化が進むと予想されます。
iCAMMの結果は、検査した各エリアの鉄筋の断面損失を定量化するために使用されました。検査結果は、ひび割れ、崩壊、変色、飛び出し、剥落など、コンクリート表面に見える腐食徴候と強い相関関係がありました。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・表面処理が不要であること
・鉄筋への接続を必要としない
・悪環境条件(高湿度)の下でも、定量的な結果を迅速かつ効果的に得ることができる。
(高温・低温下や塩化物の影響も受けない)
中空プレキャストバルコニースラブ (PC鋼線の腐食マッピング)
このプロジェクトでは、InspecTerra社のiCAMMを使用して、マンションプレキャストコンクリート製バルコニーの状態評価を行いました。このマンションは1970年代後半に建設され、一部のバルコニーには劣化の兆候が見られました。
バルコニー構成は、幅1.2m、厚さ20㎝の中空プレキャストコンクリート製スラブを複数枚並べてられており、建物の正面から5フィート(約1.5m)ほど張り出しています。スラブには台形状の空洞があり、鉄筋は標準的な直径7/16 "(約10㎜)の7本のワイヤー・プレストレス・ストランドで構成されていました。
このプロジェクトの重要点は、バルコニー躯体の上面に厚さ20~50mmのモルタルで増し厚されていることです。
コーティングやその他の材料層の有無は、従来のNDT手法(電気化学的手法や打音など)にとって大きな課題となります。パッシブ磁気法のiCAMMでは、表面被覆の影響を受けないため、各プレストレス筋の腐食状態は、モルタル増し厚層を通して直接評価することができます。
取得した磁気データは、腐食によるPC鋼より線の断面損失の程度を定量的にマッピングするために使用されました。結果はコンクリート表面の目視検査と非常に強い相関関係があり、コンクリート上層に重大な亀裂がある箇所ではより重大な腐食が発生していました。iCAMM検査データの評価に基づいて、検査されたPC鋼より線にはプレストレスの損失がないと判断することもできました。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・モルタル層/塗膜層の上からでも検査が可能
・鉄筋へ直接接触させる必要が無い
・作業中の外気温0℃~2℃(低温下での使用)
・プレストレスケーブルの緊張力低下の確認
駐車場:床スラブ内部の鉄筋腐食マッピング
ここのプロジェクトでは、iCAMMを使用して駐車場の床スラブの鉄筋腐食状態を評価しました。
このプロジェクトの主たる目的は、アスファルト舗装、防水層等の多層構造でもiMACC技術が適用できるか、という事でした。コーティングやその他の材料層の存在は、従来の NDT 法 (電気化学的手法)では検査が不可能でした。
iCAMMの動作は多層構造 (ペイント、コーティング、防水層、断熱材などの多層構造) の影響を一切受けないため、鉄筋の状態を床スラブの上部から直接評価できます。
iCAMMによって収集されたデータは、検査エリアの鉄筋断面損失を評価するために使用されました。結果は、目視検査による床スラブの亀裂や膨張箇所と強い相関がありました。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・多層構造でも腐食検査が可能
・各層による影響は一切受けない
鋼板・パイプ腐食調査 事例
鋼板の減肉検査
iCAMMを使用して、蒸気ボイラーの状態評価を実施しました。検査結果は、残存肉厚マップを作成し、厚さ18mmの鋼シェル全体の壁厚減肉を定量化するために使用されました。調査マップは、同じエリアの独立した超音波厚さ測定とも比較され、結果は見事に一致し、さらにはiCAMM磁気データはUTの結果よりも詳細に評価することが出来ました。
UTとiCAMM検査比較実証
・表面に凹凸があり、UTでは測定するのに時間を要した
・UTではカプラントが必要であるため、前処理・後処理を考慮すると、作業的/時間的コスト必要である
・離散点の情報のみである超音波技術とは異なり、iCAMMは連続データで解析するため、詳細な腐食エリアを評価することができる
断熱材下の鋼製タンク腐食のマッピング(CUI)
iCAMMの新技術を使用して、エネルギー関連施設の大型断熱分離タンクをスキャンしました。タンクは、公称壁厚16mmの鋼製(ASTM A 516 Gr.60)で、外周は厚さ約75mmの発泡ガラス断熱材及びアルミニウム製被覆で覆われていました。
iCAMM技術では特別な表面処理を必要とせず、非強磁性カバー(塗料、コーティング、断熱材、被覆材など)の影響を受けないため、鋼製容器の状態は アルミニウム被覆材(厚い断熱材)の上から直接スキャンできます。1mx1.4mの検査では、1時間未満で複数路線をスキャンしました。結果として得られた腐食マップにより、検査範囲内の腐食の危険領域が明確に特定できました。溶接により物体の磁場が大きく変化するため、溶接の影響も結果に現れています。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・厚い断熱材や非磁性体被覆の上から鋼板の検査が可能であった
・広範囲も迅速かつ効果的にマッピングが可能
・iCAMMの検査結果から、二次検査(詳細検査)の範囲が特定できる
・被覆取り外し範囲も最小限で済むため、コストダウンにつながる
船舶の腐食検出 (表面コーティングの裏側の腐食マッピング)
iCAMMは、塗料、断熱材、ビニール、タイル、滑り止めデッキなど、あらゆるタイプの非強磁性コーティング下にある鋼の腐食を検出し、マッピングすることができます。
一方、従来の NDT 検査は多くの場合、 大規模な表面処理や湿気や塩分の存在(特に海洋環境)が必要であるが、iCAMMはこれらの制限がなく、重要な構造部の断面損失を迅速かつ信頼性の高いマッピングで提供します。今回、iCAMMを使用して船内のタラップ、踊り場、調理室、シャワー、トイレ、および後部デッキと前部デッキなど、 合計17箇所の腐食をマッピングしました。
これらの検査箇所には、ペイント、ビニール、タイル張り、滑り止めコーティングなどの表面処理で覆われていましたが、特別な表面処理を必要とせず、iCAMMで迅速かつ効果的にスキャンすることが出来ました。各セクションの結果は、視覚的コンターマップの形式で腐食箇所を明確に特定しました。
そのうちの一部の検査結果例(前部デッキにある傾斜壁パネルの65x90cm)を示します。壁パネルは公称厚さ 6 mm の鋼板で、表面は標準的なライトグレー塗装でした。 特別な表面処理の必要がないため、検査エリア全体を8回の走査路線でスキャンしました。(所要時間10分未満)
目視検査では、表面に錆が見られるのは数箇所のみであり、パネルに最小限の腐食が存在することが確認できました。iCAMMの結果では、壁パネルの他の領域で大幅な壁厚の減肉が発生していることが明確に特定することが出来ました。このエリアを超音波 (UT) 厚さ測定によって検証したところ、60%を超える壁厚減肉が確認されました。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・広い範囲でも迅速に探傷可能
・UT試験と比較しても検査時間を大幅に短縮するとともに連続データにより詳細に検査が可能
・コーティング下の母材も、母材裏側までコーティングの影響を受けずに検査可能
・視覚的に検査結果が理解できる
配管腐食検査 開発中の小型磁気センサ
iCAMMは、配管の腐食をマッピングすることも可能です。船の後部デッキにある鋼製配管は 公称サイズ 直径 11.6 cm、壁厚 7.2 mmで標準のライトグレー塗装。スキャンは、小型ハンドヘルド PMI 検査装置を時間送りモードで使用しました。検査のガイドとして、薄いグリッド用紙を配管の周りに巻き付けました。長さ 65 cm のパイプ テストは、PMI 検査ツールを使用して複数の軸方向走査で検査することができました。 (※写真は、DRDC/DND の Steven Berry のご厚意によるものです)
他のスキャンと同様に、配管検査では PMI デバイスによって迅速かつ効果的にスキャンされ、腐食マップが作成されました。その結果、パイプの周囲の 3 時と 9 時の位置に重大な腐食領域を明確に特定することができました。この腐食パターンは、配管内の水が半分程度であり、配管の側面に沿った空気ー流体界面に沿って腐食が発生しやすいという事実と一致します。
残存パイプ厚さは、主要な位置での UT (ポイント) 測定を使用して検証および校正しました。校正結果が示すように、パイプ内で重大な局所腐食が発生しており、一部の検査箇所では肉厚が 50 % 以上減肉しています。
同様のスキャンテストを近くの曲管で実行したところ、曲管の右側で大幅な(> 60 %) 肉厚の減肉が確認されました。
下記のiCAMM検査技術の利点を実証しました。
・PMIセンサー(現在開発中)の高精度検査結果を得ることができた
・狭所や極小でも検査が可能
・連続データにより、配管内部状況も視覚的に評価が可能
ACTARISEは鉄筋-鋼板の腐食調査を主に、
鉄筋探査、非破壊検査を最新技術を用いてインフラの状態を評価します
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