中空プレキャストコンクリートPC鋼材腐食検査

中空プレキャストコンクリートPC鋼材腐食検査

マンションバルコニー検査

場所:カナダ、マンション、バルコニー
構造:中空プレキャストコンクリートスラブ
主筋:7/16″(7本のより線)
竣工:1970年代後半
検査範囲:バルコニー全面
外気温:0~2℃(時々雪)

●備考
一部著しいクラックあり。

バルコニーは1ブロック幅 1.2m×厚さ0.2m×5枚で構成されており、建物の壁面から1.5m片持ち梁構造。
PC鋼材は7/16″(7線式ワイヤー・プレストレスト・ストランド)。
厚さ20~50mmのモルタル層あるため、従来手法では検査不可でることからiCAMMにて検査。

iCAMMを使用してPC鋼材をスキャン

このプロジェクトの注目点は、バルコニー上部に厚さ20~50mmのモルタル層で覆われていることです。
モルタル層や防水層などは、従来の非破壊検査(例:自然電位法、分極抵抗法など)では測定不可となりますが、パッシブ型であるiCAMMは表面被覆の影響を受けないため、各PC鋼材の状態をモルタル層の上から直接評価することができます。

iCAMMによるPC鋼材の腐食調査結果

収集された磁気データを用いて、腐食によるPC鋼材の断面損失の程度を定量的にマッピングしました。
結果はコンクリート表面の目視観察と一致し、著しいひび割れがある箇所ではより顕著な腐食を確認。
iCAMMデータの評価に基づき、検査対象のどのPCストランドにもプレストレス損失の兆候は見られないことも判明しました。

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